いままで、何回床に大の字になってきただろう。
『スタジオ』という、何もない箱(空間)。
着替えて、スタジオへはいると、まず床に大の字に寝てふぅーーー。とします。その瞬間が大好きです。
雨の日も晴れの日も、おばあちゃんが亡くなった日も親友の結婚するよという報告を聞いた日も。稽古が辛くて泣きそうな日も、痛めた足を引きずって何とか辿り着いた日も。
あの、何もない空間に仰向けになって、リノリウムの敷かれたひろーい床を感じ、身体がそこに挨拶をして、馴染んでいく過程を。目を閉じて、あるいは天井をぼんやりと見つめながら過ごします。
一番好きで、一番恐かったばしょ。
まっくら闇のような、ただの箱の部屋で『なにか』がたち上がる瞬間。
きょうも、スタジオにいます。